労基署の立入調査で判明した不払賃金総額に関する最新動向(2026/9/20)
令和7年に全国の労働基準監督署(以下、労基署)が実施した、賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導の結果が、8月21日に厚労省より公表されました。
◆監督指導結果の概要
令和7年中に労基署が取り扱った賃金不払事案は22,605件(前年比251件増)、対象となった労働者数は173,016人(同12,181人減)、不払賃金の総額は128億5,782万円(同43億5,331万円減)となっています。件数は増加したものの、対象労働者数や金額は減少しています。
これらのうち、令和7年中に労基署の指導を受けて事業主が賃金を支払い、解決に至ったものは21,731件で全体の96.1%を占めました。対象労働者数は167,828人(97.0%)、支払われた賃金額は109億9,703万円(85.5%)と、多くの事案が行政指導によって改善されたとみることができます。
◆今後の動向
8月19日、同省は9月1日から時間外労働等に係る監督指導を見直すことを明らかにし、36協定で定めた内容と健康・福祉確保措置の実施状況等に応じた指導を行うとしました。
令和7年中の賃金不払事案として、始業直前・終業直後の業務に従事していた時間が一律に切り捨てられていた事案や、月20時間分の固定残業代制度を採用していて20時間超過分の割増賃金不払が発生していた事案が紹介されていますが、今後は見直し後の指導方針も念頭に置いておくとよいでしょう。
◆企業の実務ポイント
勤怠管理の不備による未払残業代の発生や給与支払の遅延なども、賃金不払として問題となります。そのため、勤怠管理が適切に行われているかを定期的に確認するとよいでしょう。
【参考】
賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和7年)を公表します